この記事では、計画の要点(記述)の構造編(耐震)を公開します。過去問で出題された基本的なものだけでなく、出題される可能性が高い問題も考えたのでぜひ活用してみてください!
問題の解答(A)は、クリック(タップ)すると表示できるようにしました。暗記に活用し、何回も繰り返し学習してみてください!
前回のVol.1では、構造の躯体についての計画の要点(記述)を掲載しました。ご覧になっていない方はぜひ下記の記事を読んでみて下さい!
≫【2024年最新】計画の要点(記述)対策/構造編 Vol.1(躯体) 一級建築士製図試験はこちらから
耐震計画
Q.耐震計画について考慮したこと
A.
- 局所的な応力集中や変形が起きないように建築物全体の平面は凹凸の少ない形状となるように工夫した。
- 鉄筋のかぶり厚さは最小限に10mm割り増しとし、コンクリートの中性化による耐力の低下を抑えることに配慮した。
- 雑壁には、柱・梁際に構造スリットを設け、柱・梁の靭性を確保できるようにした。
「鉄筋のかぶり厚さ」とは?
- 鉄筋を覆うコンクリートの厚さのことで、鉄筋の表面からコンクリートの表面までの最短距離を指す。
- アルカリ性のコンクリートは鉄筋が錆びるのを防ぐが、外気の炭酸ガスなどの影響で次第に中性化していく。中性化により、ひび割れから水分が入り込むと鉄が錆び、耐久性が落ちてしまう。
- かぶり厚さが大きいほど、鉄筋は錆びにくく、耐久性は高くなる。

Q.構造スリットを設けることの耐震上のメリット
A.
- 腰壁のある窓に接する柱は、短柱となりやすく脆性破壊のおそれがあるため、構造スリットを設けることで、短柱になるのを避け、耐震性の高い建築物とすることができる。
- 剛性の均一化が図れ、ラーメン架構の靭性を損なわない計画とできる。
「構造スリット」とは?
- 建物が大きく損傷することを防ぐため、柱・梁と雑壁との間に意図的に隙間(スリット)を設けて、緩衝材の役割を果たす。

「構造スリット」のイメージ
構造(耐震)スリットとは?実はよくある施工ミスに要注意!/マンション管理組合のミカタ「sakura」
目標耐震性能
Q.建築物に設定した目標耐震性能(地震力の程度と建築物の状態)
A.
- 多数の者が利用する施設であるため、官庁施設の総合耐震計画基準における耐震安全性の構造体の分類として、Ⅱ類に設定した。
- 大地震後、構造体の大きな補修をすることがなく、建築物を使用できることを目標とし、人命の安全確保に加えて、十分な機能確保が図られている状態を目指すために、必要保有水平耐力の割り増しを1.25とすることで、安全性の高い建築物とした。
「目標耐震性能」とは?
- 想定する地震力に対して、建築物の損傷がどの程度とするか(耐震性能)の目標を設定すること。
※多数の者が利用する施設として構造体を「Ⅱ類」相当を目標とするとよいでしょう!
「官庁施設に求められる耐震性能」:国土交通省が耐震安全性の分類・目標を規定しています。
官庁施設に求められる耐震性能/国土交通省中部地方整備局-営繕部

「目標耐震性能」の記述は、平成26年の「温浴施設のある道の駅」の沖縄試験と平成27年の「市街地に建つデイサービス付き高齢者向け集合住宅」で出題されたよ!
今後も出題される可能性があるから準備しておこう!
構造計算ルート
Q.採用した構造計算ルートと採用した理由
A.
「ルート3」
- 大地震時の安全性を確保することができる「保有水平耐力の検討」を行うルート3を採用した。
「構造計算ルート」とは?
- 建築物が地震に対して、十分な強度と安全性を有することを保証するための計算手法や手順を指す。
- 建築物の設計段階で、地震の挙動や強度を評価するために行われる計算は、多岐にわたる要因を考慮する必要がある。

※平面計画を自由にできるという「ラーメン架構」の特徴を生かすため、「ルート3」による構造設計を行うのがよいでしょう!

「構造計算ルート」の記述は、令和2年の「高齢者介護施設」と令和3年の「集合住宅」で出題されたよ!
今後も出題される可能性があるから準備しておこう!
Q.耐震性を確保するために考慮したこと
A.
- 平面計画の自由度が高く、靭性を確保できるため、耐震性に優れる「ラーメン架構」を採用した。
- 垂れ壁や腰壁と柱との間に「構造スリット」を設けることで、短柱とならないようにし、曲げ降伏先行となるように帯筋を密に配筋した。
Q.耐力壁について考慮したこと
A.
- 安全性・耐震性に配慮するために耐力壁の数を全後面数の10%以上を確保した。
- 水平力の伝搬を高めるために1階~3階までの連層耐力壁とした。

- 耐力壁に開口を設ける場合は、開口周比が0.4以下となるように計画した。
- 耐力壁の配置計画においては、開口による剛性低下を考えたうえ、バランスが良くなるように配置した。
耐力壁の取り扱い
※公共性が高く、安全性・耐震性が求められる建物の場合、X方向・Y方向それぞれ全構面数の10%程度確保しましょう!
「開口周比の規定」
耐力壁における開口の取り扱い – JSCA関西
天井等落下防止対策
Q.天井等落下防止対策について考慮したこと
A.
- 天井は特定天井とし、天井の単位面積質量を20kg/㎡以下とした。
- 天井材をねじ、ボルト等で相互に緊結し、吊り材は1本/㎡以上とし釣り合い良く配置した。
- 天井が揺れた場合でも、壁との接合部で応力が発生しないよう、60mm以上のクリアランスを設けた。
- 吊り材を繋ぐ斜材はⅤ字状に釣り合い良く配置した。
- 重量のある設備機器等は、スラブに吊り材で固定し、単位面積質量を下げる計画とした。

「天井等落下防止対策」とは?
- 平成23年3月に発生した東日本大震災においては、体育館・音楽ホール等の多数の建築物の天井が脱落し、かつてない規模で甚大な被害が生じた。
- これらの被害から、天井の脱落対策に係る基準が新たに定められた。

ぜひこの記事を活用して、何回も繰り返し学習しよう!
下記に「計画の要点(記述)対策」のまとめ記事を載せます。他の記述対策もしてみてください!
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