建築巡りをしようと考えている方で「上野で有名建築家が設計した建築物って何があるのだろう?」と疑問に思う方がいると思います。
上野には国立西洋美術館(設計:ル・コルビュジエ)など有名建築家が設計した歴史的な建築物がたくさんあります。そこで一級建築士である私が実際に訪れてみて、印象に残った建築物をピックアップしました!
この記事では「上野内のおすすめ建築物10選」をまとめて解説しています。有名建築家の作品だけでなく、組織設計事務所が設計した公共施設も紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください!
この記事を読むメリット
- 上野内のおすすめ建築物を知ることができる!
- 建築物の“所在地”や“設計者”などを知ることができる!
- おすすめ建築物の写真を見ることができる!
今回紹介する建築物で“googlemapの地図情報”と“館内撮影が可能なのか”を示しているので、ぜひ訪れる時の参考にして下さい!
上野のおすすめ建築物10選
上野の森美術館
- 上野恩賜公園内において唯一の「私立美術館」であり、“浮世絵” “漫画” “現代美術”などを幅広く取り扱っている。
- 毎年開催されている「VOCA展」は推薦制の現代美術展で、美術館学芸員などに若手作家を推薦してもらい、その作家が新作を出品するという方式をとっており、新しい才能を目撃できる場所となっている。
- 2006年に別館が増築されており、1階に小企画展を行うスペース「上野の森美術館ギャラリー」や3階に「上野の森アートスクール」を設置し、活動の幅を広げている。
- 所在地 :台東区上野公園1ー2
- 主要用途 :美術館
- 設 計 :中山克己建築設計事務所
- 竣 工 :1992年
- 公式URL:https://www.ueno-mori.org/
- 撮 影 :✕(ただし、展覧会によって撮影できる場合は会場の表示または係員の指示に従う。)
東京文化会館
国立西洋美術館と向かい合って存在しており、「打放しコンクリートの反りあがった大庇」が存在感を放っている。
「オペラやバレエもできる本格的な音楽ホール」という要望に応える形で、東京都開都500年記念事業の一環として建設された。
“ホワイエ”は、前川カラー「成層圏ブルー」の天井に仕上げられており、散りばめられた照明と相まって、満天の星空のように美しい空間となっている。
- 所在地 :台東区上野公園5−45
- 主要用途 :劇場
- 設 計 :前川國男建築設計事務所
- 竣 工 :1961年
- 公式URL:https://www.t-bunka.jp/
- 撮 影 :△(ロケーション撮影・公演の撮影は許可が必要)
国立西洋美術館
ル・コルビュジエが日本に残した唯一の作品で、2016年7月に「世界文化遺産」に登録されており、日本の戦後建築に大きな影響を与えた。
1926年に提唱した「近代建築の五原則」(ピロティ・屋上庭園・自由な平面・水平連続窓・自由な立面)の要素が設計に盛り込まれている。
長年追求してきた「無限に成長する美術館(美術作品が増えた場合でも外側へ増築し、展示スペースを確保できる美術館)」の構想を実現した美術館である。
- 所在地 :台東区上野公園7丁目7−7
- 主要用途 :美術館
- 設 計 :ル・コルビュジエ
- 竣 工 :1959年
- 公式URL:https://www.nmwa.go.jp/jp/
- 撮 影 :△(常設展示作品については、一部の作品を除き写真撮影は可能)
国立科学博物館
日本列島や日本人の歴史を辿る「日本館」、地球全体の生物や科学技術の発展をたどる「地球館」の大きく2棟で構成されている。
外壁には石材やタイルなどを用いており、レンガ造り風のネオ・ルネサンス様式の外観が特徴的である。
ドリス式やコリント式などの柱頭飾り、色鮮やかなステンドグラス、ドームなど装飾的な意匠が多く計画されている。
常設展示の標本・資料数は約25,000点あり、恐竜から最新の宇宙技術まで数多くの展示がある。
- 所在地 :台東区上野公園7−20
- 主要用途 :博物館
- 設 計 :日本館-文部省大臣官房建築課、地球館-国土交通省関東地方整備局、芦原建築設計研究所
- 竣 工 :1931年
- 公式URL:https://www.kahaku.go.jp/
- 撮 影 :△(映像や撮影禁止の表示があるものは不可)
東京国立博物館
帝冠様式の代表格「本館」や明治末期の洋風建築「表慶館」などの重要文化財に指定されている建造物から世界的建築家による現代建築まで計6館の展示館で構成されている。
収蔵品は現在約12万件でこのうち国宝89件・重要文化財648件と質・量ともに日本最大級の博物館となっている。
本館はコンクリート建築に瓦屋根をのせ、東洋風を強く打ち出した「帝冠様式」がとられており、2001年に重要文化財に指定されている。
- 所在地 :台東区上野公園13-9
- 主要用途 :博物館
- 設 計 :本館-渡辺仁氏 / 表慶館-片山東熊氏/ 東洋館-谷口吉郎氏 / 法隆寺宝物館-谷口吉生氏
- 竣 工 :本館-1938年 / 表慶館-1909年 / 東洋館-1968年 / 法隆寺宝物館-1999年
- 公式URL:https://www.tnm.jp/
- 撮 影 :○(撮影禁止マークのついている作品以外に限る。)
東京都美術館
煉瓦のような打ち込みタイルの外観が特徴的である。
3つの機能「常設・企画展の開催」・「公募展の開催」・「教育普及など文化活動」が満たされるように計画されている。
建物の約60%を地下に埋めこむことにより、隣接されている上野公園と調和するように高さを低く抑えている。
中央に広場を設け、その周りに「企画・常設ブロック」「公募展示ブロック」「文化活動ブロック」をそれぞれ独立させ、取り巻くように配置されている。
- 所在地 :台東区上野公園8−36
- 主要用途 :美術館
- 設 計 :(株)前川國男建築設計事務所
- 竣 工 :1975年
- 公式URL:https://www.tobikan.jp/
- 撮 影 :△(展示会により異なる。)
旧博物館動物園駅 博物館口跡
かつて東京国立博物館や上野動物園の最寄り駅として利用されてきた「京成電鉄 旧博物館動物園駅」の跡地で利用者の減少に伴い、1997年には営業を休止している。
2018年4月に景観上重要な歴史的価値を持つ建造物として、鉄道施設として初めて「東京都選定歴史建造物」に選定された。
2018年11月に廃止後初となる一般公開が期間限定でされたが、現在は内部を見学することができない。
- 所在地 :台東区上野公園13−23
- 主要用途 :跡地
- 設 計 :旧鉄道省建築課
- 竣 工 :1933年
- 撮 影 :○(外観のみ)
国立国会図書館 国際子ども図書館
帝国図書館の建物を保存・再利用した「レンガ棟」と全面ガラス張りの「アーチ棟」の2つの建物で構成されている。
“レンガ棟”は明治期を代表する「ルネサンス様式」を採用しており、緩いアーチの窓と外壁の化粧煉瓦が特徴的である。
“レンガ棟”には1階の床から天井までの約20mの吹き抜けに設置された“大階段”が存在する。
- 所在地 :台東区上野公園12−49
- 主要用途 :図書館
- 設 計 :安藤忠雄建築研究所
- 竣 工 :1906年
- 公式URL:https://www.kodomo.go.jp/
- 撮 影 :△(写真撮影禁止の場所有り)
黒田記念館
日本近代洋画の父といわれる“黒田清輝”が遺産の一部を美術の奨励事業に役立てるよう遺言を残し、それを受け「黒田記念館」が建てられた。
イオニア式オーダーの列柱がデザインされており、スクラッチタイルを貼った外壁が印象的である。
2012年4月から行われた耐震・改修設計において、特徴的な外観と空間デザインは基本的に変えず継承し、耐震補強要素は来館者の目に触れない場所に集中して配置されている。
- 所在地 :台東区上野公園13-9
- 主要用途 :博物館
- 設 計 :岡田信一郎氏
- 竣 工 :1928年
- 公式URL:https://www.tobunken.go.jp/kuroda/
- 撮 影 :△(作品の撮影は、問い合わせが必要)
旧岩崎邸庭園
三菱財閥創業者の元本邸として明治期に建てられ“”洋館・“和館”・“撞球室(ビリヤード場)”の3棟で構成されており、1999年に敷地全体が「重要文化財」に指定されている。
和風・洋風の建築様式を組み合わせた「和洋併置式住宅」の様式をとっており、その後の邸宅建築に大きな影響を与えている。
洋館の内装は垂直性に繊細な装飾が織り交ざった意匠が特徴な「ジャコビアン様式」がとられている。
- 所在地 :台東区池之端1丁目3−45
- 主要用途 :庭園
- 設 計 :ジョサイア・コンドル
- 竣 工 :1896年
- 公式URL:https://www.tokyo-park.or.jp/park/kyu-iwasaki-tei/index.html
- 撮 影 :○(ただし平日のみ。館内は建物のみの撮影が可)
以上で、上野におけるおすすめ建築物の紹介は終わりだよ。
最後まで見てくれてありがとう!
自分が紹介した建築物の他にも、素敵な建築物が上野にはあるので、ぜひ訪れてみてね~!
↓下記の記事では、新潟県のおすすめ建築物16選を紹介しています!ぜひご覧ください。
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