PR

[1987年プリツカー賞]丹下健三氏の代表作品&設計の特徴を紹介! 一級建築士学科試験 計画

学科試験

建築界のノーベル賞と言われる“プリツカー賞”を日本人で初めて受賞した「丹下健三氏」が設計した代表作は何があるんだろう?と疑問に思われる方がいると思います。

丹下健三氏は「世界のタンゲ」と呼ばれ、国内のみならず世界中で活躍した建築家で“戦後”から“高度成長期”にかけて活動し、日本の建築を世界トップレベルまで引き上げた人物です。

そこでこの記事では、丹下健三氏の実績代表作品10選における設計の特徴を紹介します!

この記事を読むメリット

  • 丹下健三氏がどういう人物か分かる!
  • 代表作品を知ることができる!
  • 設計の特徴を知ることができる!
ひよこ君
ひよこ君

一級建築士学科試験の「計画-事例問題」では、有名建築家の代表作を問題として出題する傾向があるから、受験予定者はぜひチェックしてみて

歴代プリツカー賞:受賞者

プロフィール

丹下健三氏が設計した建物は大規模建築物が多く“日本の伝統的なスタイル”“モダニズム”を融合させるデザインが魅力的である。

東京大学やハーバード大学で教鞭をとり、「丹下研究室」では“槇文彦、磯崎新、黒川紀章”等の世界的建築家を育成した。

「機能的なものが美しいのではない。美しきもののみ機能的である」という言葉を残しており、丹下都市建築設計がその哲学を受け継いでいる。

経歴

  • 1913年、大阪府堺市に生まれる。
  • 父の転勤により中国の漢口へ。数年後、上海のイギリス租界に移住する。
  • 旧制広島高校(現・広島大学)に進学。図書室で見た“ル・コルビュジエ”の記事に感銘を受け建築家を志す。
  • 1935年、東京帝国大学(現・東京大学)工学部建築科に入学。
  • 東京帝国大学大学院修了後、助教授に就任。「丹下研究室」を作る。
  • 国内外で建築物を設計し、プリツカー賞を代表とした多くの功績を挙げた。
  • 2005年3月22日、死去(91歳)。自身で設計した“東京カテドラル聖マリア大聖堂”の地下に埋葬された。
Hans van Dijk for Anefo , CC BY-SA 3.0 nl, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=30756195による

主な受賞歴

1954年 - 日本建築学会作品賞(愛媛県民館)
1965年 - 日本建築学会特別賞(国立屋内総合競技場)
1966年 - AIAゴールドメダル受賞
1986年 - 日本建築学会大賞(日本における現代建築の確立と国際的発展への貢献)
1987年 - プリツカー賞
1993年 - 高松宮殿下記念世界文化賞建築部門受賞
1996年 - レジオンドヌール勲章受章

代表作品10選

広島平和記念資料館

建築概要

  • 所在地:広島県広島市
  • 用途:文化施設
  • 階数:2階
  • 構造:RC造
  • 竣工年:1952年

特徴

  • 「広島平和記念公園」は“世界に向けて人類の平和を願い訴えること”“過去の過ちを繰り返さないこと”を目的に作られた。
  • 国際的に高い評価を受けた最初の戦後建築であり、2006年に戦後建築物として初めて「重要文化財」に指定され、丹下健三氏の出発点となった作品
  • 「モダニズム」と呼ばれる装飾のないシンプルなデザインが印象的であり、戦後の日本建築として初めて世界的な評価を受けた作品となった。

過去問(H27年:No.1-ニ級学科問題)

Q. 設計者の組み合わせとして正しいか。
  広島平和記念資料館(1952年)-村野藤吾

A. ✕(誤り)設計者は、丹下健三氏。

香川県庁舎東館

建築概要

  • 所在地:香川県高松市
  • 用途:官公庁舎
  • 階数:8階 / 棟屋3階
  • 構造:RC造
  • 竣工年:1958年

特徴

  • 外観に梁や庇、寺社建築などにみられる勾欄などが取り付けられており、日本の伝統な木造建築の手法を鉄筋コンクリート造で表現している
  • 1階部分は高さ約7mのピロティが採用されており、「広場」としての利用を想定し設計された。現在は“県民のためのオープンスペース”として、誰でも出入り可能となっている。
  • 令和元年に当時の意匠を保存しながら「免震レトロフィット工法」により耐震化を行い、防災拠点となる施設として十分な耐震安全性を確保している。

東京カテドラル聖マリア大聖堂

建築概要

  • 所在地:東京都文京区
  • 用途:教会
  • 階数:1階 / B1階
  • 構造:RC造
  • 竣工年:1964年

特徴

  • “HPシェル”と呼ばれる双曲放物面をもつRC造の版によって構成されており、版の外側には全面にステンレス板が張られている。
  • 上空又は内部から見るとが「十字架」の形状が現れる仕掛けが印象的である。
  • シェルとシェルの間には隙間が設けられており、そこから光が落ち、教会全体を包み込んでいる。

国立代々木競技場 第1体育館

建築概要

  • 所在地:東京都渋谷区
  • 用途:興行場
  • 階数:2階 / B2階
  • 構造:RC造一部S造
  • 竣工年:1964年

特徴

  • 1964年の「東京オリンピックのための水泳競技用施設」として造られた建物である。
  • 選手・観客すべての人が熱中する“一体感”を追求するために柱は主柱以外を除外することで、視界を遮ることのない無柱の大空間を計画した。
  • 長辺方向のメインケーブルを2本の塔とアンカーブロックで引っ張り、サブの吊り材を渡して屋根を架ける「二重吊り構造」を採用している。

駐日ブルガリア大使館

建築概要

  • 所在地:東京都渋谷区
  • 用途:大使館
  • 階数:7階 / B1階
  • 構造:RC造
  • 竣工年:1974年

特徴

  • 斜面地の住宅街に馴染むように上階に行くにつれて、前にせり出す「階段形状」で計画されている。
  • 白いボリュームが迫ってくる迫力感があるが、ボリュームを分節させることで、圧迫感がない独特な品の良さを醸し出している。
  • 南面に私鉄が走っている周辺環境や大使館としてのプライバシーを考慮するために“中庭”を計画し、内側に開いた空間構成を採用している。

広島国際会議場

建築概要

  • 所在地:広島県広島市
  • 用途:文化施設
  • 階数:3階 / B2階
  • 構造:SRC造
  • 竣工年:1989年

特徴

  • 広島平和記念公園の敷地内に立地しており、“国際交流の推進”“市民文化の向上”を図ることを目的として計画された。
  • ファサードは“平和記念資料館東館”と対をなしており、高さを抑えて、渡り廊下で水平に繋がるように計画されている。
  • 1,504名収容の大ホールだけでなく、国際会議ホールや会議室などを設けられており“講演会”や“展示会”、“打合せ”など様々な用途で利用されている。

横浜美術館

建築概要

  • 所在地:神奈川県横浜市
  • 用途:美術館
  • 階数:8階 / 塔屋1階 / B1階、
  • 構造:SRC造、RC造、S造
  • 竣工年:1988年

特徴

  • 横浜美術館は丹下健三氏が国内で初めて“美術館”として設計した建築物で、石造りのシンメトリーな外観が特徴的である。
  • 8階に達する半円柱がある中心部は“展示室”、右端棟には“アトリエ”、左端棟には“美術図書室”が配置され、理念である「みる」「つくる」「まなぶ」を建物で表現している。
  • 外壁には「フォルス・ウィンドウ」(にせ窓)として、丸と四角が描かれており、壁面に視覚的な変化をもたらしている。館内の様々な場所で、“丸”と“四角”のモチーフが表現されている。

東京都庁第一庁舎

建築概要

  • 所在地:東京都新宿区
  • 用途:庁舎
  • 階数:48階 / B3階
  • 構造:S造 一部SRC造
  • 竣工年:1991年

特徴

  • パリ・ノートルダム大聖堂から引用したと言われている“正八角形”をモチーフにするゴシック風の外観が特徴的である。
  • 特に最上部分のツインビルが印象的であり、低層部に対して45度交差する大胆な造形となっている。
  • 45階にある展望室から地上202mからの眺望を楽しみながら、東京のまち、房総や富士山が一望することができる。

新宿パークタワー

建築概要

  • 所在地:東京都新宿区
  • 用途:複合施設(オフィス・ホテル等)
  • 階数:52階 / B5階
  • 竣工年:1994年

特徴

  • 高さの異なる3連のブロックが“雁行配置”により一体化しており、三角屋根の外観が特徴的である。
  • 北側へ向かって高さを階段状に低くすることにより、公園との一体感を与え、スカイラインを表現している。また最上部には“先進性”や“未来形”をシンボル化した大屋根を配置している。
  • 低層階に住宅・内装関係のショールームやレストラン、ショップ街が計画されており、地上9階~37階がオフィスフロア、39階~52階は高級ホテル「パークハイアット東京」のテナントが入っている。

フジテレビ本社ビル

建築概要

  • 所在地:東京都港区
  • 用途:放送局等
  • 階数:25階 / 塔屋1階 / B2階
  • 竣工年:1996年

特徴

  • 「お台場のシンボルとなるようなデザイン」「外部と内部の空間が一体化された”開かれたテレビ局”」をコンセプトに設計された。
  • “格子状の構造体”と対照的な“直径32mの球体展望台”を組み合わせた斬新な造形が印象的である。
  • 球体展望台は“吸音天井”と“拡散天井”の二重構造で、デザイン的に美しくなるように、拡散天井は720枚のアルミパネルを格子状に組まれている。
ひよこ君
ひよこ君

以上で、丹下健三氏における代表作10選の説明は終わりだよ!
他の受賞者もぜひチェックしてみてね!

最後に…おすすめの通信講座「Studying」

独学の方や金銭的に資格学校に通うことが難しい方に「Studying」がオススメです!

スマホやPCで動画講義が見れるので、隙間時間に学習できます!

無料講座もあるので、ぜひ下のリンクから試してみてください!

一級建築士

コメント

タイトルとURLをコピーしました