この記事では、一級建築士学科試験の受験生の方々が効率的に「建物事例」を学習できるように過去に出題されたことのある西洋の歴史的建造物事例を写真付きで“建物概要” “特徴” “過去門”の項目でまとめています。
記事を読むメリット
- 写真付きで“西洋の歴史的建造物事例”を見ることができる!
- それぞれの建物の特徴をつかむことができる!
- 出題された過去問を解くことができる!
ひよこ君
西洋の歴史的建造物をまとめてるよ!暗記したい方は、ぜひブックマークして、繰り返し学習してみてね!
西洋の歴史的建造物10選
アーヘン宮廷礼拝堂
建築概要
- 所在地:ドイツ-アーヘン
- 設計者:メッツ-オド
特徴
- 中央部分において「八角形の身廊」の上部に“ドーム状のヴォールト屋根”を持つ集中式の八角堂となっている。
- 八角堂では、東ローマ帝国で発達したビザンチン様式を取り入れたモザイクの装飾(ガラス・貝殻・石などの小片をちりばめ、図案にした装飾)が見られる。
- 身廊の外側を囲むように「十六角形の周歩廊」が設けられている。
- “古典主義様式”、“ロマネスク様式”、“ゴシック様式(内陣部分)”など、様々な建築様式の要素が融合されている。
過去問(令和元年:No.3)
Q. アーヘンの宮廷礼拝堂(ドイツ)は、平面が八角形の身廊とそれを囲む十六角形の周歩廊があり、身廊の上部にはドーム状のヴォールトをもつ集中式の建築物である。
A. ○(正しい)
アルハンブラ宮殿
建築概要
- 所在地:スペイン-グラナダ
- 計画者:アルアマール王
特徴
- 「アルハンブラ」とは、“赤い城塞”を意味しており、外壁は少し赤味がかった建物となっている。
- “城壁”、“塔”、“庭園”、“宮殿”などから構成され、「イスラム建築の最高傑作」と言われている。
- 「フレスコ画」、「装飾された柱とアーチ」、「イベリア時代の歴史を表現した壁」が特徴的。
過去問(平成19年:No.24 )
Q. アルハンブラ宮殿(グラナダ)は、イスラム式の宮殿建築で、複数の中庭、アーケード、塔等がある。
A. ○(正しい)
アミアン大聖堂
建築概要
- 所在地:フランス-アミアン
- 設計者:ロベール・ド・リュザルシュなど
特徴
- フランスで一番の高さを誇る大聖堂で「ゴシック建築」となっている。身廊の高さは42.3m・奥行きは145mである。
- 身廊部(西側)・袖廊部(北・南側)ともに「三廊式(=側廊+身廊+側廊)」であり、内陣に“周歩廊”と“放射状祭室”が設けられている。
- 聖堂の内外部には“天地創造”や“聖書に関わるモチーフ”、“キリストの生涯”や“最後の審判”などの彫像が彫り込まれており「石の百科全書」と呼ばれ、文字の読めない人たちの聖書理解の手助けとなっていた。
- 内部の“ステンドグラス”にも細かな細工が施されており、聖書の内容を表したものから当時の庶民の様子まで読み取ることができる。
過去問(平成23年:No.2 )
Q. アミアン大聖堂は、身廊部・袖廊部ともに三廊式であり、内陣に周歩廊と放射状祭室とをもつフランスの盛期ゴシック建築である。
A. ○(正しい)
ヴェルサイユ宮殿
建築概要
- 所在地:フランス-ヴェルサイユ
- 設計者:マンサール / ル・ブランなど
特徴
- 16世紀初期に建設されたフランスを代表する世界遺産であり「バロック様式」の代表建築物である。
- 庭園は約40年かけて造られた「フランス式庭園の最高傑作」で、広さは約800haを誇り、幾何学的なデザインや噴水・彫刻が特徴的である。
- 「王室礼拝堂」の内部には金色の彫刻・装飾品、大理石の柱などが贅沢に使用されている。
- 幅員:10m・全長:75mを誇る細長い空間である「鏡の間(回廊)」は、庭園側に開いた大きな窓とその反対側に同形の鏡装飾が設けられている。
過去問(平成6年:No.25 )
Q. パリ郊外のヴェルサイユ宮殿 ――― バロック建築
A. ○(正しい)
コロッセウム
建築概要
- 所在地:イタリアーローマ
- 設計者:ウェスパシアヌス帝 / ティトゥス帝
特徴
- 高さ50m・長さ190m・幅156mの楕円形の建物で、観客約5万人以上を収容可能な「円形闘技場」である・
- 1階は「ドリス式」2階は「イオニア式」3階は「コリント式」のように階ごとに異なる柱頭デザインが採用されている。
- 「ローマン・コンクリート(火山灰を利用したコンクリート)」で造られており、鉄骨を用いていないにもかかわらず崩壊しなかったのは、全体が円筒形で力学的に安定していたためだと考えられている。
過去問(平成25年:No.2-二級建築士試験出題)
Q. コロッセウム(ローマ)は,ローマ市内に残る古代最大の円形闘技場であり,ドリス式,イオニア式及びコリント式オーダーを用いたローマ建築である.
A. ○(正しい)
ひよこ君
二級建築士では出題されたけど、まだ一級建築士試験では、出題されていないよ!
今後出題される可能性があるからチェックしよう!
コルドバの大モスク
建築概要
- 所在地:スペインーコルトバ
特徴
- 赤いレンガと白い石で構成されている「紅白縞文様の2段アーチ」を伴って林立する柱による内部空間が特徴的である。
- “イスラム教”と“キリスト教”の2つの異なる宗教が共存する宗教建築となっている。
- コルドバの大モスクは787年頃に「アブドゥル・ラフマーン1世」によって創建されており、その後3度拡張され、現在の形状となっている。
過去問(平成28年:No.3)
Q. コルドバの大モスク(スペイン)は、紅白縞文様の2段アーチを伴って林立する柱による内部空間をもち、現在はキリスト教文化とイスラム教文化が混在している建築物である。
A. ○(正しい)
サン・マルコ大聖堂
建築概要
- 所在地:イタリアーヴェネツィア
- 設計者:総督ドメニコ・コンタリーニ / 総督ヴィターレ・ファリエル
特徴
- ギリシア十字形プランに五つのドーム(円蓋)を配しており、現存する「ビザンチン聖堂」として貴重な建築物である。
- 内部空間の壁や天井には、色鮮やかな金箔やモザイク装飾が施されている。
- ドームは、ビサンチン建築の特徴である「ペンデンティヴドーム」が設けられている。
過去問(平成23年:No.2)
Q. サン・マルコ大聖堂は、ギリシア十字形の集中式プランをもち、中央の交差部及び十字架の4枝の上にドームをもつイタリアのビザンチン建築である。
A. ○(正しい)
サン・カルロ聖堂
建築概要
- 所在地:イタリアーローマ
- 設計者:フランチェスコ・ボッロミーニ
特徴
- 外観は“統一性のないファサード”であり、波立つような凹凸の湾曲面が特徴的な「バロック建築」である。
- 楕円形のドーム内壁には「六角形・八角形・十字形」を組み合わせた格間が施されており、上部にいくに従い、格間が狭くなっている。これより、実際よりも高さを感じる効果を出している。
- ドームは“天窓”と“四か所の側面窓”から光を取り入れており、格間の模様によって様々な表情が生まれ、幻想的で美しい空間を造り出している。
過去問(令和元年:No.3)
Q. サン・カルロ・アッレ・クァットロ・フォンターネ聖堂(イタリア)は、楕円形のドームと、凹凸の湾曲面や曲線が使用されたファサードをもつバロック建築である。
A. ○(正しい)
サン・ピエトロ大聖堂
建築概要
- 所在地:イタリアーローマ
- 設計者:ブラマンテ / ラファエロ / ミケランジェロなど
特徴
- 数百年にわたり増改築を重ねていき、現在の大聖堂の姿になるまで、芸術家ミケランジェロやルネッサンス建築の巨匠ブラマンテなどが設計に参加した。
- 巨大なドームや列柱廊を用いた「バロック建築」を代表する建築物。
- 聖堂は6万人を収容でき、“11の礼拝堂”と“45の祭壇”があり、主祭壇を覆う「大天蓋」は高さ29mに及ぶ。
過去問(平成7年:No.2-二級建築士試験出題)
Q. サン・ピエトロ大聖堂(ヴァチカン)は、巨大なドームや列柱廊を用いた、バロック建築を代表する建築物である。
A. ○(正しい)
セント・ポール大聖堂
建築概要
- 所在地:ロンドン(イギリス)
- 設計者:クリストファー・レン(現存時)
特徴
- 高さ111mの大ドームと2つの塔が特徴的で、建物の全長は157mあり、「教会建築としては世界最大級」の大きさを誇る。
- 内部空間は白と金色を基調とした空間となっており“荘厳な装飾”や天井に描かれた“モザイク画”が訪問者を魅了する。
- セント・ポール大聖堂がどの場所からでも見えるように“聖堂より高い建築物を建ててはいけない”という基準「セント・ポール・ハイト」が定められている。
ひよこ君
以上で、事例の紹介は終わりだよ。
下記に建物事例のまとめ記事を載せておくよ!ぜひ他の事例もチェックしてみて!
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