一級建築士学科試験を勉強する受験生において、計画「建物事例」の問題に苦労している方は、非常に多いと思います。ですが、写真付きで設計の特徴を把握することで暗記がしやすくなります。
一級建築士学科試験に出題された建築物を中心に新潟県の建築巡りをしてきました!
この記事では、令和3年度に出題されたアオーレ長岡(設計:隈研吾氏)について設計の特徴を写真や図を用いて、まとめています。
この記事を読むメリット
- “アオーレ”とは何か分かる!
- “アオーレ長岡”の建築概要を知ることができる!
- “アオーレ長岡”の設計特徴を知ることができる!
第55回BCS賞や2014年日本建築学会賞(業績部門)を受賞した素晴らしい建物なので、この機会にぜひチェックしてみてね!
建築概要
- 所在地 :新潟県長岡市大手通1-4-10
- 主要用途 :市役者本庁舎(事務所)、集会所、自動車車庫、店舗・飲食店、銀行支店、屋根付き広場
- 設 計 :隈研吾建築都市設計事務所
- 施 工 :大成・福田・中越・池田シティホール建築工事特定共同企業体
- 敷地面積 :14,938.81㎡
- 建築面積 :12,073.44㎡
- 延床面積 :35,492.44㎡
- 階 数 :棟屋1階 地上1階/B4階
- 構 造 :RC造、一部S造・PC造
- 竣 工 :2012年2月
- 公式URL :https://ao-re.jp/
Strelka Institute for Media, Architecture and Design – https://www.flickr.com/photos/strelka/14211195438/, CC 表示 2.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=44599115による
“アオーレ長岡”とは?
アオーレ長岡は、5000人を収容できる“アリーナ”、開放感のある“ナカドマ”、“市役所”が一体となった全国初の複合型施設です。
“アオーレ”は長岡地域の方言で「会いましょう」を意味します。
この施設を通して、様々な“人と人”、“人とモノ”の出会いが生まれてほしいという願いが込められているそうです!
素敵な名前ですね~!
設計の特徴
“市松模様”のデザイン
市松模様のデザインは、それぞれ“行政”と“市民”が表現されていて、配置計画も施設同士が交ざり合ったデザインになっています。
長岡城で使用されていた「市松模様」をモチーフに壁面や大屋根のパターンとして表現されています。
木製パネルは、アオーレ長岡から15m圏内で採れたスギ材を幅や間隔をランダムで配置しています。こうすることで、ゆるい親しみやすい印象を与えています。
アクセスの利便性
3階のスカイデッキから長岡駅の改札口へ直接アクセスできる計画になっており、雨や雪に濡れる心配がないです!
アオーレ長岡 ACCESS アクセス/https://ao-re.jp/accessより
市民の憩いの場 “ナカドマ”
“市役所”や“議会”、“アリーナ”の機能に囲まれるように吹抜け空間「ナカドマ」が配置されています。
市役所等をガラス張りで仕切ることにより、気軽に市民の方々が入れるように工夫されています。
アリーナを仕切っている大開口扉を開放することにより、“ナカドマ”と“アリーナ”の一体的な利用(イベント等)も可能です。
自分が訪ねた時に学生達が中央の椅子に集まって談笑していました!
その光景を見て、市民に愛されている空間だなと感じました。
省エネ技術を駆使した“ナカドマ大屋根”
ナカドマ大屋根により自然光が降り注ぐ、明るく開放的な空間になっています。
「太陽光発電・換気システム」を採用していて、省エネな建物となっています。太陽高度に合わせて屋根パネル部分を開放し発電効率を上げ、それに伴いナカドマに通風する技術となっています。
屋根面の雨水・雪を回収し、トイレ洗浄や緑地空間の散水にも役立ているそうです。
親しみやすい“総合窓口”
総合窓口には、ナカドマと同様に床材にタタキが使用されていて、昔の民家のような親しみやすさを感じました。
この空間でも天井部分に市松模様のデザインが採用されていて、デザインの統一性が感じられます。
旧庁舎では3層にわたって市役所手続きを構成していたそうですが、1フロアにまとめて窓口空間とすることで、効率の良い計画となっています。
総合窓口は一部吹抜け空間となっていて、2階のペデストリアンデッキから内部が見えるようになっていました。
職員の方はサボることができないですね笑
最大収容5,000人の“アリーナ”
最大 5,000 人を収容できるアリーナが併設されていて、各種イベントやBリーグ:新潟アルビレックスBBの試合も行われているそうです。
可動席や仮設ステージを利用することで、レイアウトが自由自在に変更できるため、使い勝手がよい空間になっています。
愛着が湧く“施設サイン”
シンボルマークの「アオーレバード」が施設サインで用いられています。可愛らしく愛着が湧くデザインです!
“人と人”、“人とまち”をつなぐ幸せの鳥をイメージされているそうです。
施設のあらゆる場所に配置されていました。皆さんもぜひ探してみてはいかがでしょうか。
癒しを与える“植栽計画”
3階の上部には既存樹木であるモミジやユキヤナギが植栽されていました。植栽を計画することで癒されますし、空間が柔らかい印象になります!
バリアフリー対応
点字サイン・音声案内
1階のエントランス周辺に「総合案内図」が設けられていました。
点字サイン・音声案内が計画されており、バリアフリー対応もバッチリです!
エレベーター
エレベーターは地下1階の駐車場から3階まで計画されていて、車椅子使用者の方もアプローチしやすい計画になっています!
過去問(令和3年:No.14)
Q. アオーレ長岡(新潟県)は、駅前に建てられた市民協働・市民交流の拠点であり、大通りに開かれた屋根付き広場を中心に、アリーナ、市民交流スペース、市役所、議会等を配置した複合施設として計画された。
A. ○(正しい)
この記事で紹介したのは建築物の一部分にすぎないです。
素晴らしい建築物なので、新潟県に行った際はぜひ見てみてね!
↓下記の記事では「新潟県内のおすすめ建築物16選」をまとめて解説しています。
最後に…おすすめの通信講座の紹介「Studying」
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