この記事では、計画の要点(記述)の設備編(空調)を公開します。過去問で出題された基本的なものだけでなく、出題される可能性が高い問題も考えたのでぜひ活用してみてください!
問題の解答(A)は、クリック(タップ)すると表示できるようにしました。暗記に活用し、何回も繰り返し学習してみてください!
また令和5年度一級建築士試験の「計画の要点(記述)」について、下記の記事でまとめているので、ぜひご覧下さい!
≫【合格者の「計画の要点(記述)」公開&解説! 令和5年度一級建築士製図試験「図書館」】はこちらから
空冷ヒートポンプパッケージ方式
Q.空冷ヒートポンプパッケージ方式を採用した理由
A.
- 各室ごとの利用状況に合わせた個別制御がしやすく、省エネルギー性に優れるため、全館に採用した。
- 成績係数が高く、省エネルギー性に優れるため、二酸化炭素排出量を抑えることができる。
- 機械室が不要で、空調室外機を屋上に設置できるため、省スペースである。

「設置の目安」
- 「室内機」…20~30㎡毎に1台
- 「全熱交換器」…約100㎡毎に1台
空冷ヒートポンプパッケージ方式床置きダクト接続型
Q.空調方式について良好な室内環境となるように考慮したこと
A.
- 「空調ヒートポンプパッケージ方式床置きダクト接続型+全熱交換器」を採用することで、空気が循環され、温度分布が均一になるように計画した。
- 空調吹出口に「アネモ型」を設けることで、長時間滞在する利用者に対して、ドラフト感を低減させるように計画した。
- 吹出口を天井面に設け、床に設置した空調機前面より室内空気を吸込むことで、暖気を還流させるように考慮した。
- 「床置きダクト接続型」とすることで、天井カセット型によるドレン水の漏水(結露などによる水損)を避けることができる。

「空調吹出口の種類」
- 吹出口、吸込口で可動ルーバーと固定ルーバーがあり、可動ルーバー(気流の方向を調整できる)は、吹出口に用いられる。
- 内部誘引性(室内空気を取り込み吹出す)があり、拡散性も広いことから、ドラフト感の少ない吹き出しができる。
- 天井の低い室や、長時間同じ位置に滞在する室(図書館の閲覧室等)に適する。
- 大風量を吹き出すことができ、気流の到達距離が長い。
- パンカールーバーは吹き出し方向が調整できる。
- ホールや吹抜け等の大空間に適する。

「ドラフト感」とは?
- 「低温の気流が吹き込むこと」や「ガラスなどで冷やされた空気が流下すること」で、人体に不快感を与える現象。
空冷ヒートポンプパッケージ方式に必要な設備
- PS(パイプシャフト)が必要 → 大きさは1m×1m程度。
- 空調室外機が必要(屋上・屋外) → 空調ゾーン100㎡に1台程度。
- 換気設備「全熱交換器」or「外気処理空調機」が必要。
- 床置きダクト接続型の場合、DS(ダクトシャフト)が必要。
- 床置きダクト接続型の場合、機械室が必要。(6㎡程度)
単一ダクト方式
Q.単一ダクト方式を採用した理由
A.
- 外気導入量、送風量を多くできるため、多人数で使用するホール等、気積の大きな空調に適している。
- 高精度な温湿度制御ができることから、貴重本の書庫に適している。
- 空調機において、全熱交換の上で、換気を行う。
- 空冷ヒートポンプパッケージ方式に比べて、イニシャルコストが高く、メンテナンス性に劣る。

Q.空調機械室及び設備シャフト計画について考慮したこと
A. 空調機械室計画
- 3室を3系統の「単一ダクト方式」で計画したため、空調機械室の面積を60㎡とし、機器のメンテナンスを考慮し、外部扉を設け、1階に計画した。
A. 設備シャフト計画
- 熱損失の低下を考慮し、ダクトスペースを空調機械室の直上に計画し、ダクトルートが極力短くなるように考慮した。
- 天井ふところを十分に確保することで、横引き配管を考慮した。
単一ダクト方式に必要な設備
- PS(パイプシャフト)が必要。
- DS(ダクトシャフト)が必要。→ 1系統は4㎡程度。中央式(2~4系統)は、6~8㎡程度。
- 空調機械室(エアハンドリングユニット)が必要。→1箇所の場合、15~20㎡程度。中央式は、40~80㎡程度。
- 熱源機器(ヒートポンプチラー等)が必要。→屋上設置可。
ファンコイルユニット方式
Q.ファンコイルユニット方式を採用した理由
A.
- ファンコイルユニット一台ごとに個別制御が可能で、騒音発生が少なく、十分な換気量を確保することができる。
- 空調機械室が不要。
- 室内機に種類があり、適切な室内機が選べる。(天井カセット等)

ファンコイルユニット方式に必要な設備
- PS(パイプシャフト)が必要。
- 熱源機器(ヒートポンプチラー等)が必要。→屋上設置可。
- ファンコイルユニットを各室に設置。
- 換気設備「全熱交換器」or「外気処理空調機」が必要。
全熱交換器(換気)
Q.全熱交換器の特徴
A.
- 各室それぞれに設けることで、各室ごとに個別に換気運転の制御ができる。
- 給気と排気で熱交換を行うため、省エネルギーである。
- 外気処理空調機を用いる場合に比べて、イニシャルコストが高い。
Q.全熱交換器を採用した理由
A.
- 換気をすることで起こる外気による空調負荷を低減するために、「全熱交換器」を採用することで排熱を回収し省エネルギーとなるため。
- 機器付属のフィルターにて粉塵、花粉などの1次処理が可能で、良好な室内空気環境とすることができるため。
外気処理空調機(換気)
Q.外気処理空調機について考慮したこと
A.
- 外気処理空調機は、換気量を多くでき、温度調整が可能なことにより、大空間・大人数が利用する室に有効なため、採用した。
- 熱源(ヒートポンプチラー)や外気処理空調機を屋上に設置することにより、省スペースに配慮した。

空調方式とDS・PSの有無
(○有 ×無)
空調方式 | DS | PS |
空冷ヒートポンプパッケージ方式 | × | ○ |
空冷ヒートポンプ床置きダクト接続型 | ○ | ○ |
外気処理空調機 | ○ | × |
単一ダクト方式 | ○ | ○ |
ファンコイルユニット方式 | × | ○ |

ひよこ君
ぜひこの記事を活用して、何回も繰り返し学習しよう!
下記に「計画の要点(記述)対策」のまとめ記事を載せます。他の記述対策もしてみてください!
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